廃棄されていた酒粕を新たな酒やお菓子の原料に生まれ変わらせる
日本酒やクラフト酒を作る時に必ず生まれる酒粕。この酒粕から作ったお酒を粕取り焼酎といい、我々は「SANABURIアルコール」と呼んでいます。
この「SANABURIアルコール」を原料に、さまざまなボタニカルやフルーツ、スパイスなどを使ってGINやリキュールをつくり、蒸留後の残渣(酒粕)は、調味料やお菓子の原料にすることで、お米を無駄にしないSANABURIエコシステムを循環させていきたいと考えています。
早苗饗とは?
米を作り、米から酒を作り、副産物の酒粕から蒸留酒を作り、蒸留残渣は田んぼに帰って、次の稲作の栄養になる。ご先祖さまたちが繰り返してきた早苗饗という名のエコサイクルからヒントを得て、酒造りにもう一度エコサイクルを取り戻すために始まったSANABURI Project。
酒造りの副産物にして、今では厄介者扱いされることもある「酒粕」の価値観を現代的にアップデートすることで、酒造りを中心にした循環型の経済圏の実現を目指します。私たちは、この新しいエコサイクルを「SANABURI構想」と呼んでいます。
早苗饗循環経済を
生むための2機の蒸留器
アーノルドホルスタイン 銅製蒸留器
100年以上の歴史をもつ、ドイツの蒸留器メーカー「アーノルド・ホルスタイン」は、最高級の蒸留酒を製造するための高品質な蒸留器として知られています。また、造り手ごとに蒸留器をオーダーメイドしています。そのため、早苗饗蒸留所の蒸留器も世界でたった一つの蒸留器となっています。
早苗饗蒸留所の蒸留器は、ポットスティルに加え、6段の精留塔と、ジンバスケットを備えたハイブリット型蒸留器となっています。比較的小型な蒸留器ながら、一度に400本を超える製品を蒸留可能で、取り回しにたけた大きさの蒸留器となっています。
減圧蒸留器
この突飛な形をした機械は、酒粕を蒸留するためのもので、一般的に「マイクロウェーブ蒸留器」と言われています。一度に200kgもの酒粕を蒸留することができ、アルコール40%を超える蒸留酒を製造することができます。早苗饗蒸留所で酒粕に価値を与える起点となるのが、この機械です。
マイクロウェーブ過熱により、個体である酒粕を蒸留できるようになっています。また内部を減圧することにより、アルコールの沸点が40~50℃になり酒粕を焦がすことなく蒸留が可能です。これにより酒粕特有の粕臭さの少ない蒸留酒を作ることが可能になっています。早苗饗蒸留所では、製品の原酒としてこれを使用しています。
SANABURIアルコールを原料に様々なボタニカルを浸漬蒸留した新ジャンルのスピリッツ
山椒スピリッツ
早苗饗蒸留所の記念すべき実験酒第一弾の商品、山椒スピリッツです。日常の食事シーンで一緒に楽しんでもらいたいとの想いから、柑橘を思わせる爽やかな香りと和山椒特有の青々しい香りが特徴の和歌山県有田川町のかんじゃ山椒園の山椒を選びました。和食や中華等、幅広い料理に合わせてお楽しみいただけます。飲み方は1:3のソーダ割りがおススメです。七味やわさびなどを少し入れるアレンジレシピもお楽しみください。
ジン
オーソドックスなドライジンを目指しつつ、随所に男鹿や稲とアガベの要素を散りばめました。まず、稲とアガベのクラフトサケ「花風」で使用されたホップを再活用しています。「花風」製造に当たってはホップを水に浸してできる「ホップ水」を使用していますが、アルコールで抽出される成分はまだホップに残っているため、それをアップサイクルしました。さらに、男鹿工房の塩の製造後に残るにがりを使用することで水の硬度を上げ、よりドライな味わいのジンに仕上げている他、味を引き締めるための要素として男鹿を拠点に活動するさとやまコーヒーのコーヒーも加えています。
カカオ八朔
二つの「皮」から生まれたスイーツのようなスピリッツ 9月の発売後、早々に完売したカカオ八朔スピリッツのbatch02。前回よりもよりカカオが本来持つフルーティーさを引き出しています。 カカオは焙煎の後、チョコレートに使用されるカカオニブと、チョコレートにはあまり使用されない「外皮」にあたるカカオハスクに分けられます。カカオハスクに雑味が含まれていますが、スピリッツではこの雑味などは大きな問題にはならないため、活用できると考え今回のスピリッツに使用しました。さらにジンでも使用した八旗農園の八朔の皮も使用し、二つの「皮」を活かしたスピリッツに仕上げました。二つの「皮」に加え、山椒を含めた三種のスパイスを加え、ショコラ・オランジェットをイメージした仕上がりになっています。甘味のあるトニックウォーターやジュースなどで割って飲んでいただくと美味しいです。
梅リキュール with 梅ボーイズ
和歌山県の「梅ボーイズ」の梅を使った早苗饗蒸留所初のリキュールです。46億円にも上る被害をもたらした、和歌山県の雹害により傷ついた梅を使用し、粕取り焼酎を再蒸留したスピリッツをブレンドした原酒で漬け込んだ梅リキュールです。さらにハマナスの花を漬け込んだハマナス酒を造り、ブレンドしています。梅とハマナスの香りを最大限に引き出すために、あえてかなり甘口に仕上げています。梅酒のように、ロックやソーダで飲んでいただくと梅とハマナスのリッチな香りを楽しめます。また、カクテルやウイスキーハイボールに加えれば華やかな香りと程よい甘さをプラスすることができます。どなたにもお勧めできる梅酒としてもリキュールとしても飲んでいただける一本です。 本商品は2025/11/15以降の発送となります。ご了承ください。